藍琴と積ん読のまにまに
本好きの積ん読派ですが、本から得た感動や気づき・スキル等を、紹介したいです。
守破離の実践と自己成長の鍵
「守破離」という言葉は、日本の伝統的な武道や芸道の修行過程を表す言葉で、成長のプロセスを象徴しています。守は、師匠や先達の教えを忠実に守り、基礎を徹底的に学ぶ段階。破は、学んだことを基に自分なりの工夫を加え、既存の枠を破り、新たな視点を取り入れる段階。そして、離は、師匠の教えや既存の枠組みから完全に独立し、自己流を確立する段階です。この「守破離」の考え方は、単に武道や芸術に限らず、あらゆる分野において自己成長のプロセスとして応用できるものです。 ### 守:基本を忠実に学ぶ大切さ まず、どんな分野でも最初のステップは「守」です。これは、他者から教わったことを忠実に守り、そのやり方を正確に覚える段階です。たとえば、スポーツであれば基本的なフォームや技術、ビジネスであれば成功しているモデルや手法を学び、それを自分のものにすることが重要です。 この「守」の段階での最大の目的は、基礎力をしっかりと身につけることです。自己流でやる前に、先人の知恵や経験を積み重ねた方法をしっかり理解することが大切です。なぜなら、基礎を無視した自己流は、うまくいかないことが多いからです。 たとえば、絵を描くときにいきなり自己流で描き始めても、プロ並みの作品を生み出すことは難しいでしょう。しかし、基本的なデッサン技術や色彩理論を習得することで、よりスムーズに自分の表現を広げることができるようになります。基礎をしっかりと身につけることが、次の「破」や「離」へのステップをスムーズに進めるための土台となります。 ### 破:創意工夫を加えて既存の枠を超える 「守」をしっかりとこなした後に訪れるのが「破」の段階です。この段階では、学んだ基礎を基に、自分なりの工夫やアレンジを加えていきます。つまり、既存の枠にとらわれずに新しいアプローチを模索することが求められます。 多くの成功者が独自のスタイルを持っているのは、この「破」の段階を経ているからです。しかし、ここで注意すべき点は、単に独自性を追求することが重要なのではなく、まずは基礎に忠実に従った上で、その枠を破ることが大切だということです。 例えば、ビジネスの分野でも、他人の成功事例を模倣してもうまくいかないことがあります。これは、成功の背後にある細かい要因やタイミングが、「たまたま」成功したケースが多いためです。ただし、模倣する際には、その成功例を鵜呑みにするのではなく、自分の状況に合った部分を見つけ出し、そこに自分なりの工夫を加えることが重要です。そうすることで、単なるコピーではなく、オリジナリティを持った成果を生み出すことができます。 ### 離:自己流の確立と完全な独立 「離」の段階は、最終的に師匠や既存の枠組みから離れ、完全に自分の道を歩むことを意味します。これは、自分自身のスタイルを確立し、他者に頼らずに独立して判断し、行動できる段階です。しかし、この「離」の段階に至るためには、まずは「守」と「破」を十分にこなしていることが前提となります。 自己流を確立するというのは、他者の影響を全く受けないということではなく、むしろ他者の知識や経験を十分に消化し、それを自分の内に取り込んだ上で、自分らしいスタイルを構築するということです。この段階に至ると、他者の成功や失敗を冷静に分析し、自分にとって何が最も効果的かを判断できるようになります。 ### 守破離の実践による自己成長の実感 最近、私自身もこの「守破離」の実践を意識しています。以前は、他者の成功事例をそのまま真似しようとして、結果が出ないことに苛立ちを感じることがありました。しかし、守破離の考え方を取り入れることで、成功者の「すごい部分」を正しく評価し、それを自分の状況に適応させることができるようになりました。 たとえば、成功しているビジネスモデルを見たとき、その成功が「たまたま」起きたのか、それとも何か再現性のある要因があるのかを冷静に見極めることができるようになりました。全ての成功が同じように再現できるわけではありませんが、自分と似たような状況にある成功者を見つけ、その人の成功要因を取り入れることで、自分のやり方を進化させることができると感じています。 また、「守」の段階でしっかりと基礎を固めたことで、自己流に挑戦する際にも無謀なチャレンジではなく、根拠のある工夫ができるようになりました。これにより、以前よりも冷静に、効果的なアプローチを選び取ることができるようになったと感じます。 ### 結論 「守破離」という考え方は、どんな分野においても自己成長のプロセスとして非常に有効です。まずは他者の成功事例を学び、そのやり方を守りながら基礎を固める。そして、その基礎を基に創意工夫を加え、自分なりのアプローチを模索する。そして最終的には、独自のスタイルを確立し、完全に自立する。この一連のプロセスを意識的に実践することで、単なる模倣者から脱却し、自分自身の成功を築くことができるのです。 守破離の実践を通じて、私自身も大きな成長を感じており、今後もこの考え方を大切にして、自分の道を歩んでいきたいと思っています。
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